衛星本体から回収カプセルが分離した瞬間(イメージ)
豊田自動織機は4月16日、宇宙空間の実証機が地球に帰還する際の大気圏再突入システム用の耐熱材料を東北大学発の宇宙ベンチャー企業のエレベーションスペース(小林稜平代表、仙台市青葉区)と共同開発すると発表した。豊田自動織機が持つ炭素繊維などの「三次元織物」技術を生かし、軽量で低コストな材料を開発する。2026年後半に打ち上げ予定の小型衛星での搭載を目指す。
エレベーションスペースは、宇宙空間から地球に物資を持ち帰るための回収技術などを手掛ける。大気圏再突入時の高温から物資を守るには耐熱材料が必要だが、従来は最大負荷に合わせた素材を一律に装着しており、過剰設計による重量増が課題だった。
豊田自動織機の三次元織物技術はレースカーのボディー部品などに採用されており、縦横に加え厚み方向を貫く糸を持つ。他の構造より強靭で、部位ごとに密度を調整することで軽量化も図れる。