公開された機体
国際宇宙ステーション(ISS)に実験機器類や補給物資などを運ぶ新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」。三菱電機の鎌倉製作所(神奈川県鎌倉市)で10日、1号機の機体が公開された。来年度中にも鹿児島県・種子島宇宙センターからH3ロケットで打ち上げられる予定だ。
HTV-Xは、ISSへ物資を運ぶ従来の「こうのとり」の後継機として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱電機が開発した。輸送能力をこれまでの1.5倍に高めたほか、物資の輸送とともに新しい技術の実証実験も可能な「二刀流」とした。
公開されたのは、航行や制御を行う「サービスモジュール」で、全体の中核となる機能を担っている。
自動車や電機・電子業界では、宇宙開発への参画のほか、ISSを活用して新素材や部品開発を検討する取り組みが広がっている。HTV-XについてJAXAと三菱電機は「輸送能力向上で、より低コストでの実証などが期待できるほか、大型の機器類にも対応できる。放射線や真空といった宇宙空間の環境を生かした研究開発にも役立ててもらいたい」としている。