循環型再生エネルギーシステムのイメージ

 ホンダは19日、月面探査車両の居住空間に電力供給する「循環型再生エネルギーシステム」で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と研究開発契約を締結したと発表した。2023年度末までに初期段階の試作車(ブレッドボードモデル)を製作する。

 同システムは、ホンダの高圧水電解システムと燃料電池を組み合わせたもの。月面では昼間に太陽光発電の電力を用いて水を電気分解し、酸素と水素をタンクに貯める。夜は、この酸素と水素で発電し、居住空間に電力を供給する。

 ホンダの高圧水電解システムは、水素を圧縮するコンプレッサーが要らない。また、循環型再生エネルギーシステムは、蓄電池に比べ質量当たりのエネルギー密度が高いため、宇宙輸送で課題となる積載容量と質量の低減化に貢献できるという。

 ホンダは20年11月にJAXAと循環型再生エネルギーシステムの共同研究協定を締結しており、今回、研究開発契約に進展した。