本社前には「ありがとう。また会いましょう」のメッセージが
休館前の最終のイベント。貝原副社長は来場者やウェルカムプラザのスタッフに感謝を述べた
二輪車「カブ」が集結した〝カブ主総会〟(2015年10月)

「ありがとう。また会いましょう」―。ホンダの本社ビル(東京都港区)の建て替えに伴い、同ビル1階にある「ホンダウェルカムプラザ青山」が3月31日に休館し、39年間の歴史に幕を閉じた。ウェルカムプラザは、1985年の本社ビル竣工と同時にオープン。新型車や新技術の展示、イベントなどコミュニケーションの場として幅広い世代のホンダファンに親しまれた。休館日前の最終日には多くのファンが訪れた。

30、31日にはグランドフィナーレとして「ウェルカムプラザフォーラム」を開催。30日はF1(フォーミュラワン)世界選手権に参戦している角田裕毅選手らが登場し、スペシャルトークショーを開いた。早朝からビルの前で並ぶファンの姿もあったという。

31日は平日にもかかわらず多くの来場者でにぎわった。エンディングステージで貝原典也副社長は「青山ビルができたとき、最初に入社した世代だ。ウェルカムプラザを含め本社ビルには熱い思いを持っている。皆さんに支えられてきたウェルカムプラザにとって(グランドフィナーレは)とても幸せな舞台だったと思う」と語った。コーポレート戦略本部コーポレートコミュニケーション統括部の松山康子部長は「このビルがホンダに対する憧れを持つきっかけとなった。仕事で辛いことがあっても、ビルに掲げているさまざまなメッセージを見て『好きで入った会社なんだ。頑張らなければ』と奮い立たせてくれた。休館の間は何もしないわけではなく、いろんなことを考えているので、ぜひ期待して待っていてほしい。また会いましょう」と呼びかけた。

エンディングステージ終了後も、多くのファンが最後まで正面入口で最終日を見届けた。午後7時30分ごろ、ウェルカムプラザのブラインドが下りると拍手が上がった。

本社ビルは2025年度中に解体されるため、5月にビルでの業務を終える。新本社は30年度に完成する予定だ。