政府の「クリーンエネルギー自動車(CEV)導入促進補助金」に基づく車種ごとの補助額が3月28日、判明した。電気自動車(EV)で満額(90万円)が支給されるのはトヨタ自動車「bZ4X」などにとどまり、比亜迪(BYD)やメルセデス・ベンツ、BMW、ボルボなどの一部EVの補助額は4月から減る。「グリーン鋼材」の採用状況や車載電池のリサイクル、取引適正化などの評価項目で差が出た格好だ。詳細は経済産業省が近く公表する。

CEV補助金は「車両性能」「整備体制」「サイバーセキュリティ対策」など7つの項目で企業と車両を200点満点で評価し、個別に補助額を決める。4月からは製造時の二酸化炭素(CO2)排出が少ないグリーン鋼材の採用に前向きかどうかも評価に加え、補助額に最大5万円を上乗せできるようにした。

これにより、4月から車種・パワートレインごとの補助上限額もそれぞれ上がる。EVは90万円、軽EVは58万円、プラグインハイブリッド車(PHV)は60万円だ。燃料電池車(FCV)は加算項目の適用外として、現行額の255万円を据え置く。

4月からは現行よりも補助金が増える車種が多い。特に日本勢は全車種が増額、もしくは現状と同額で、bZ4Xとレクサス「UX300e」「RZ300e」は満額の補助金を確保した。

日産自動車では「リーフ」「アリア」が85万円から89万円に、軽EV「サクラ」が55万円から57万4000円になる。マツダ「MX-30」は65万円から67万円に、三菱自動車の軽EV「eKクロスEV」は55万円から56万8000円になる。輸入車でも、テスラ「モデル3」が65万~85万円から87万円に上がるほか、ヒョンデ「コナ」「アイオニック5」が35万~45万円から67万円にそれぞれ増える。

一方、4月から減額される車種もある。BYD「シール」は45万円から35万~45万円になる。ボルボ「EX40」、ポルシェ「タイカン」、メルセデス・ベンツ「EQA」、BMW「i5」「i7」などもモデルによっては補助額が減る。経産省は「電池に関する取り組みや調達先への適正期間の支払いといった『ライフサイクル全体での持続可能性の確保』の項目などで差が出た」(自動車課)と説明している。

新たな補助額は、4月1日以降の登録・届け出分から適用される。