損害保険大手4社の一連の情報漏えいについて金融庁は3月24日夜、損保大手4社に対して保険業法に基づく行政処分(業務改善命令)を出したと発表した。4社の情報漏えい件数は合計約268万件。個人情報保護法だけでなく、不正競争防止法に定める営業秘密も漏えいされ、不適切行為などに該当すると認定されたことも新たに判明した。

4社は東京海上日動火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険。金融庁の発表では4社とも情報漏えいは2014年度以前から、問題が発覚した24年度まで継続的に行われていた。

情報漏えいは2つのパターンがある。まず一つ目は、損保代理店を兼務する自動車ディーラーを経由するなどして各社の契約者の情報が漏えいされていたものが合計約234万件。もう一つは損保から保険代理店への出向者が、出向元などに契約者などの情報を漏えいしていたものが合計約34万件あった。

漏えい件数が最も多いのが東京海上日動で約112万件。次が損保ジャパンの約96万件だった。

24年8月末時点では約250万件の漏えいがあったことが公表されたが、それからさらに増えた。

損保大手4社の不祥事は、23年初夏以降に相次いで表面化した。法人向け共同保険料の価格調整(カルテル)問題で4社が23年12月に行政処分を受け、旧ビッグモーター問題では24年1月に損保ジャパンが2回目の行政処分を受けた。今回は4社が情報漏えい問題で行政処分を受けた。この1年3カ月の間に、損保ジャパンは3回、他の3社は2回の行政処分を受けるという異例の事態となっている。