日産自動車は3月12日、2025年春季労使交渉(春闘)で平均1万6500円(総額)の賃金改定を実施すると労働組合に回答した。組合側は過去最高水準だった昨年と同様に1万8000円を要求したものの、業績が悪化する経営状況などを踏まえた回答となった。組合要求を回答が下回るのは20年の春闘以来5年ぶり。一時金は5.2カ月相当で組合要求に満額回答した。
賃金改定の内訳は非公表。賃上げ率は4.5%となる。一時金は満額回答だが、昨年の5.8カ月を下回った。日産は回答の根拠について「会社業績が厳しい中、経済の好循環実現に対する企業の責務と、株主をはじめとしたすべてのステークホルダーの理解との両立に特に留意した」と説明した。
日産は、米国などでの販売不振や経営再建に伴うリストラ費用の発生で、25年3月期の当期純損益が800億円の赤字になる見通しだ。