光田書記長と鬼頭執行委員長(右)
トヨタ自動車労働組合(鬼頭圭介執行委員長)は1月28日、2025年春季労使交渉(春闘)の要求案を明らかにした。職種・階級ごとの賃上げ要求額として9950円~2万4450円とする案を固めた。比較可能な1999年以降で過去最高水準の賃上げを要求した昨年と同水準となる。年間の一時金要求額は基準内賃金の7.6カ月分を要求する。2月7日に正式決定し、経営側には12日に申し入れる。
17種類の職種・階級ごとに賃上げ要求額を示しており、今年は賃金全体の底上げ、物価上昇を踏まえて全資格での引き上げを要求した。中でも若手社員が多い担当事技職や業務職(2、3級)、中堅・初級技能職などには重点的に配分した。全組合員平均の賃上げやベースアップ(ベア)の水準は示していない。
光田聡志書記長は「トヨタの未来を担う若手の生活不安の払しょくとキャリア形成、活躍を後押しする」と話した。若手社員の賃上げについては、社会的に若年層の賃金が上がる中で競争力を確保する狙いもある。
年間一時金の要求は、2025年3月期の営業利益が4兆3000億円を見込むことを踏まえ、過去最高だった昨年と同水準の7.6カ月分とした。