全トヨタ労働組合連合会(西野勝義会長、組合員36万2000人)は12月19日、2025年の春季労使交渉に向けた要求方針案をまとめ、5年連続で賃金の底上げにあたる「改善分」(ベースアップ)の統一要求額を示さない方針を固めた。一時金は前回同様、年間5カ月以上を要求する。来年1月10日に静岡市内で中央委員会を開き、正式に決定する予定だ。

賃上げの具体的な要求水準を示さず、人材の確保・定着に向け「昨年を超える改善分の積み上げを図る」とした。一方、上部団体である自動車総連(金子晃浩会長)は11日、「1万2000円以上」の要求目安額を掲げる方針を発表している。

全トヨタ労連の西尾清人副会長は、要求額を示さないことについて「いろいろな意見があった」としつつ、「ここ数年、水準を掲げずに各加盟組合が職場課題に向き合い交渉し、解決につなげてきた。これまで積み重ねたことを後戻りさせないため、それぞれに要求額を構築することを選んだ」と説明した。

また、自動車総連が重点項目に挙げる年間休日増の推進に向けては、将来的な実現に向け議論を進めるとした。