意見を交わす石破首相と自動車業界幹部ら(出典:首相官邸HP)
意見を交わす石破首相と自動車業界幹部ら(出典:首相官邸HP)
自動車業界幹部らと意見を交わす石破首相(出典:首相官邸HP)
意見交換後に取材に応じる自工会の片山会長

石破茂首相は7月31日、日本自動車会館(東京都港区)で日米交渉の合意について自動車・部品メーカートップとの意見交換会を実施した。石破首相は「自動車産業を皮切りに、関係閣僚が直接出向き合意について事業者に懇切丁寧な説明を行う」と語った。業界側からは追加関税による支援策など要望を伝えた。

会合には、日本自動車工業会の片山正則会長(いすゞ自動車会長)のほか、副会長を務めるトヨタ自動車の佐藤恒治社長、日産自動車のイヴァン・エスピノーサ社長、ホンダの三部敏宏社長、理事を務めるスバルの大崎篤社長とマツダの毛籠勝弘社長、三菱自動車からは中村達夫副社長が参加した。日本自動車部品工業会からは茅本隆司会長(ニッパツ会長)らが出席した。

今回の合意について片山会長は「サプライチェーン(供給網)全体を含めた日本の自動車産業への壊滅的な影響が緩和された」と評価した。茅本会長は評価する一方で「価格、数量両面で影響が出ることは避けられない」と指摘。資金繰りに加えて、輸出台数の減少により国内生産が落ち込まないよう支援を求めた。

意見交換会後、片山会長は報道陣の取材に応じ、「まず、今回の妥結に至ったというのは非常に高く評価している。ただ15%は小さい数字ではない。今後の色々な次善策についてお願いをした」と述べ、サプライチェーン維持への支援や、税制などを含めた恒久的な需要喚起などを要望したという。

米国生産車の逆輸入も話題に上がり、一部のメーカーからは「努力するという意見があった。当然、米国の車となると、日本(と米国)の道路事情は全く違うので、安全が担保されることが大事だ」(片山会長)との意見を交わした。

自動車関税に関する日米交渉では、7月22日(米国時間)に自動車と自動車部品への追加関税を当初の25%から半分の12.5%に下げ、既存税率と合わせて15%とすることで合意した。