日米貿易交渉を担当する赤澤経済再生担当大臣は7月25日、両政府が合意した自動車と自動車部品の関税を15%に引き下げるタイミングについて、8月1日になるとの見通しを明らかにした。自動車各社は、対米輸出している自動車と部品について追加関税25%への引き上げ前に駆け込みで輸出を増やしたが、すでに引き上げ前に輸出した製品の在庫はほぼ底をついている状況だ。現在は追加関税を課せられた自動車や部品を輸出しているため、早期の関税引き下げを求めている。
赤澤大臣は自民党の「米国の関税措置に関する総合対策本部」に出席して今回の日米交渉の合意について説明した後、記者団の取材に応じた。
赤澤大臣は「相互関税をいつ下げるかの話はしていない」と述べた上で、米国トランプ政権が貿易交渉で合意していない国に対する相互関税を適用する「8月1日が節目になる。それまでに(関税引き下げに)必要な大統領令を出すのでは」とし、自動車と部品の関税を15%に引き下げることに関しても「同じタイミングに合わせて、速やかに実施して欲しい」と述べた。
赤澤大臣は日米交渉で、自動車と部品の関税引き下げに「1番こだわった。1日でも早く関税を引き下げて欲しいという要望は相手も分かっているので、それを踏まえて(米国側が)どうするかだ」と述べた。
対米輸出の自動車は4月、自動車部品に関しては5月から、それぞれ25%の追加関税が課せられている。24日に2025年4~6月期の業績を発表した三菱自動車は米国の追加関税の影響で営業利益が144億円押し下げられる影響があった。
また、日米貿易交渉では、日本が米国に5500億ドル(約81兆円)を投資することで合意したが、赤澤大臣は「進捗管理の話はしていない。米国側から働きかけがあれば応じる」と述べるにととめた。
同本部では、出席した議員から今回の合意内容について日本経済の影響を分析し、必要な対策の実施を求める声などがあったという。