官民ファンドのINCJ(東京都港区)は7月24日、保有していたダイナミックマッププラットフォーム(DMP)の全株式を、投資ファンドの産業革新投資機構(JIC、横尾敬介社長、東京都港区)への売却を完了したと発表した。これまで投資してきた144件の投資案件の処理が完了。最終的なINCJの収支は、1兆372億円の黒字となった。

INCJは、2009年に発足した産業革新機構が前身。スタートアップを含めて日本企業に投資してきた。25年3月末で投資活動を終了。保有株式は、自動運転車向け高精度3次元地図などを手掛けるDMPだけが残っていた。

INCJは、DMPに8年前に出資し、株式47%を保有していた。このうち、16%を上場時に売却し、残りの31%をJICに売却した。投資額は合計163億4000万円。今回、JICに72億7500万円で売却した。

INCJの累計投資額は1兆2963億円で、累計回収額は2兆3335億円となった。経営再建を支援するために出資したルネサスエレクトロニクスの業績が回復して株価が上昇。巨額の売却益を得たことで、トータルの収支がプラスとなった。