ホンダ子会社のホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパンは11月29日、人工知能(AI)を搭載した対話型ロボット「ハル」をスペインのヴィルヘン・デル・ロシオ大学病院に導入すると発表した。10台を導入し、少児がんの子どもの治療や心理的ケアをはじめ、さまざまな用途で使用する。
ハルは、カメラやマイクで人間の表情や声などの生体情報を分析し、人の状態を理解した上で共感表現や受け答えができるロボット。2021年から同病院で実証実験を実施しており、一定の効果が確認できたことから正式に導入することが決まった。
子どもたちの話し相手や教育支援のほか、通常は神経心理学者が行う入院患者の心理評価を支援する機能もある。心理評価を実施できる患者数はこれまで年間510人だったが、ハルの導入で4500人まで対応できるようになるという。