日本特殊陶業と産業技術総合研究所(産総研、石村和彦理事長)は「サマリウム―鉄―窒素」焼結磁石を高密度化する焼結助剤を開発し、高性能な永久磁石の作製に成功したとこのほど発表した。〝ポストネオジム磁石〟とし、耐熱性が要求される電気自動車(EV)などのモーター用磁石への適用を目指す。

 「サマリウム―鉄―窒素」磁石は、ネオジム磁石を上回る耐熱性を示す一方、比較的低温で分解するため、性能を高めるのに不可欠な高密度化が困難だった。研究では、焼結助剤としてマグネシウム、カルシウムなどを含有する合金を開発し、磁石を高密度化できるようにした。今後は磁石の性能をさらに高めるため、原料となる磁粉の開発なども検討する。