住友電気工業は、自動運転に対応した電動小型モビリティを「人とくるまのテクノロジー展2024横浜」で初公開した。自動運転を含めた電装システムをパッケージ化し、共通設計とすることでコスト競争力を高めた。1~2人乗りのミニカーやグリーンスローモビリティと呼ばれる低速の電気自動車(EV)、搬送ロボットといった車両への搭載を想定する。

電装製品のラインアップは(1)自動運転に関わる配線をモジュール化したワイヤーハーネス、(2)ボディ系ECU(電子制御ユニット)、(3)半導体リレーモジュール、(4)ジャンクションボックス、(5)モーターなど、同社が自動車事業で培った技術力を生かした。自動車メーカーなどが差別化しにくい「非競争領域」の部品を共通設計とすることで、生産台数が少ないのモビリティでもコスト低減効果が期待できるという。

モーターには、独自形状の圧粉コアを内蔵したアキシャルモーターを採用。一般的にモーターに採用されているラジアル型と比較して、厚みを半減しつつ高トルクを実現する。

自動運転では、配線のモジュール化による車室スペースの確保に加え、カメラやLiDAR(ライダー)のスイッチの切り替えをECUで一元管理し、運転状況に応じてオン・オフを制御できるようにした。

同社は、名古屋大学と共同で8人乗りの低速EVを使用した実証実験を行うなど、実用化に向けた開発を進めている。