比亜迪(BYD)は現地時間14日、メキシコでピックアップトラックのプラグインハイブリッド車(PHV)「シャーク」を発表した。BYDがピックアップトラックを出すのは初めて。同社はメキシコに中米初の生産拠点開設を検討している。米中の経済摩擦が激しくなる中だが、ピックアップトラックの主戦場は米国で、将来は米国向けの輸出拠点としたい思惑があるとみられる。

 BYDアメリカのステラ・リー最高経営責任者(CEO)は「メキシコはBYDにとって重要な国の一つだ」と語った。シャークは電気自動車(EV)モードでの航続距離は100キロメートル、価格は89万9980メキシコペソ(約831万円)から。複数のメディアによると、当面はメキシコで販売し、米国には投入しない計画という。

 米政府は、中国からの輸入品の関税を引き上げると発表済みだ。EVは現在の4倍となる100%とする。関税の引き上げで米政府は中国からの輸入を阻止する考えだが、メキシコなどを通じて米国に輸出する可能性がある。リーCEOは米国市場への言及を避けた。