EVの選択肢は徐々に増えている(写真は日産「アリア」)

札幌市は、2024年度の電気自動車(EV)向け補助金支給額を一律10万円(軽自動車は一律5万円)にする。23年度はバッテリー容量に応じて最大30万円だった1台当たりの補助額を引き下げ、より多くのEV購入者に補助金を支給できるようにするのが狙い。23年度は8月中旬に予算の上限に達し、募集を打ち切った。24年度の申請受け付けは、早ければ4月22日から開始する。

支給額は実質的な「減額」となるが、1台当たりの補助額が抑えることで、より多くの市民、事業者に補助金が行きわたるようにする。市では「できるだけ多くのEV購入者に補助金を配分することで、札幌市が目指す自動車のゼロエミッション化を後押ししていきたい」(環境政策課)と説明する。

値引き後の車両価格が840万円以上の乗用車は補助から除外するが、事業用のEVバスやEVトラックは補助の対象となる。今回の制度変更により、補助金支給件数を23年度の140件から300件に倍増できると見込む。予算は前年度並みの3294万円を計上した。

23年度は日産自動車「サクラ」や三菱自動車「eKクロスEV」といった軽自動車規格のEV購入者が増えたことで、申請受け付け開始から4カ月ほどで予算上限3347万円に達した。補助額はバッテリーの容量に応じて決まり、登録車が1kWh当たり4千円、軽自動車が同6千円で、いずれも1台当たりの上限額を30万円に設定していた。

燃料電池車(FCV)はEVとは別の予算枠で購入補助金を用意する。これまでは1台当たり50万円を上限に車両価格などに応じて補助額を算出していたが、24年度は一律で50万円を支給する。電動車両と住宅の間で電力を融通できる家庭用の充放電器「V2H(ビークル・トゥ・ホーム)」の補助金は、上限額を25万円から15万円に引き下げる。マンションなど集合住宅の充電設備設置は、1基当たりの上限額を15万円に据え置く。

補助は24年2月19日以降に登録された車両などが対象。22日以降、札幌市のホームページなどで新制度の概要を公表し、受け付けを開始する。