三菱自動車が1日に発表した2023年4~12月期の営業利益は1601億円(前年同期比4.2%増)となり、過去最高を更新した。これまでは22年度が最高だった。売上高も07年同期の1兆9473億円を上回り、過去最高だった。小売り台数は減少したものの、円安が追い風となったほか、値引きの抑制や高付加価値品の販売構成比を高めたことが収益増に結びついた。

 同期のグローバル新車小売り台数は58万5千台(同7.1%減)と減少した。北米や日本は前年を上回ったが、主力市場であるタイやインドネシア、ベトナムで販売台数を落とした。

 最高財務責任者(CFO)を務める松岡健太郎副社長は「特にタイはローン審査厳格化の影響でピックアップトラックの市場が縮小した」と述べた。

 前年同期実績に対する営業利益の変動要因では、「原材料価格」が182億円、「販売費」が221億円、「輸送費」が112億円、「間接員労務費」が43億円などと減益要因となっており、利益を圧迫した。ただ、「MIX/売価」が548億円、「為替」が163億円の増益要因となり、業績を押し上げた。