広汽三菱汽車のHP

三菱自動車は10月24日、中国での車両生産や販売から撤退すると発表した。三菱自と三菱商事が保有する現地合弁会社の株式持ち分は、合弁先の広州汽車に譲渡する。在庫が無くなり次第、販売も終了する。海外生産拠点から輸入した三菱ブランド車を販売する計画もない。一方、エンジンの生産は継続するほか、11月に3社でアフターサービスを手がける新会社を設立し、保有客のサポートは続ける。三菱自は2024年3月期の連結決算で243億円の特別損失を計上する。

三菱自と三菱商事、広州汽車は広汽三菱汽車を12年に設立。三菱自が30%、三菱商事が20%出資している。株式譲渡後は、広州汽車の完全子会社として24年6月から電気自動車(EV)ブランド「Aion」のモデルを生産する。現在の従業員には社員の状況に応じた補償案を提供するほか、再就職先のあっせんなどで生活を支援する。

広汽三菱汽車では過去に年間10万台以上を生産・販売していた時期もあったものの、急激なEVシフトで販売が低迷。22年の実績は3万台まで減少し、23年3月から工場の操業を停止していた。

特別損失として計上する243億円の構造改革費用は、一定程度を期初見通しに織り込んでいるため、通期業績予想は変更しないとする。