左から宮城野翔親方(元横綱白鵬)、豊田会長、芝田山康親方(元横綱大乃国)

 トヨタ自動車は13日、両国国技館(東京都墨田区)で「センチュリー」のオープンカーを報道陣に披露した。センチュリーのSUVタイプをベースに、大相撲の優勝パレードで利用するために屋根を取り払い、力士が後席に乗車しても車体が沈み込まないよう足回りを強化した。センチュリーSUVタイプは、オーナーの好みに合わせてカタログに記載のないカスタマイズにも対応する。オーダーメイドの受注は今春頃から一般顧客向けもスタートさせる。

 披露式にはトヨタの豊田章男会長をはじめ、日本相撲協会の芝田山康親方(元横綱大乃国)や宮城野翔親方(元横綱白鵬)が出席した。センチュリーのオープンカーは初場所千秋楽のパレードで登場する。豊田会長は「相撲の優勝パレードは世界からも注目されている。このセンチュリーSUVと優勝力士が新たな物語をつくってくれるのは大変うれしい」と語った。豊田会長と交流があり、パレードカーのアイデアを出したという宮城野親方は「もう乗れないのが残念」と笑いを誘った。

 トヨタはこれまで、主に高級セダン「クラウン」ベース車のパレードカーを日本相撲協会に提供してきた。新型車は従来よりも後席の幅が20センチメートル広く、SUVタイプのため着座位置も高くなり、観覧者からの視認性も向上したという。チーフエンジニアの田中義和氏は「今回はかなり特殊なオーダーメイドとなる。準備期間は1年程度を要した」と説明した。プラグインハイブリッド車(PHV)で、パレード中は二酸化炭素(CO2)を排出しない「EVモード」での走行を想定しているという。