トヨタ自動車は6日、「センチュリー」に新しい車形を追加して2023年内に発売すると発表した。既存のセダンに比べて全高を300ミリメートル上げ、SUV調のデザインに仕立てるとともに、センチュリー初のプラグインハイブリッド車(PHV)を設定した。乗り心地や乗降性を改善してショーファーカー(専属の運転手を持つオーナー向け車)のニーズに応える一方、走行性能も高めてドライバーズカーとしての需要も取り込む。全国70社の系列販社で扱い、国内では月販30台を見込む。新たに海外でも販売する。

 新型車のサイズは全長5205×全幅1990×全高1805(ミリメートル)。セダンに比べ、全長は130ミリメートル短くし、全幅と全高はそれぞれ60ミリメートル、300ミリメートル増やした。セダンは、先代のレクサス『LS』ベースのプラットフォームを採用するが、新型車はレクサス「TX」などに使用するFF(前輪駆動)プラットフォーム「GA―K」を採用した。後部と荷室を分割する構造「ラゲージルームセパレート構造」をセンチュリー専用に開発し、車体のねじり剛性を高めた。

 パワートレインは、排気量3.5リットルのV型6気筒エンジンに電動ユニットを組み合わせたプラグインハイブリッドシステムを採用した。最大75度まで開くリアドアやオート電動格納式ステップなどで乗降性を改善した一方、オーナーが運転することも想定し、コックピットの操作性なども高めている。

 セダンは元町工場(愛知県豊田市)で生産するが、新型車は田原工場(愛知県田原市)で生産する。価格は2500万円(消費税込み)。