NTTは7日、日本国内で自動運転サービス事業に参入すると発表した。自動運転システムを手がける米国スタートアップのメイ・モビリティに出資するとともに、メイ・モビリティの自動運転システムの日本での独占販売権を取得した。NTTが提携しているトヨタ自動車から車両の提供を受ける。NTTが独自に取り組む「IOWN構想」での光通信技術なども活用し、日本国内での運転手不足に対応するサービスを展開する。
NTTは、日本国内での自動運転サービスの提供に向けて、メイ・モビリティが実施した「シリーズD」の資金調達にリード投資家として出資した。メイ・モビリティが日本市場向けに開発した自動運転システムを乗用車やバスなどに搭載し、自動運転の社会実装を支援する。
メイ・モビリティはミシガン大学発のスタートアップで、トヨタが設立したファンドやブリヂストンの米国子会社などが出資している。日本の道路環境に対応する自動運転技術も開発しており、これまでに日米の合わせて12都市で自動運転の実証走行を35万回以上、実施したという。
NTTは、スマートシティ分野で提携しているトヨタから自動運転サービス用車両の提供を受けるとともに、事業化でも組む。国内では2025年にもコミュニティバスでの自動運転サービスを提供後、自動運転サービスに使用する車種を順次、増やしていく。
自動運転サービスでは、IOWN構想で推進する高速・大容量通信が可能な光通信技術や、5G(第5世代移動通信システム)などの通信ネットワークを遠隔監視などに活かす。国内でタクシーやトラック・バスなどの運転手不足が深刻化する中、安全で利便性の高い自動運転による輸送サービスの普及を目指す。