ホンダは、2025年度の国内販売計画を70万台に設定した。新型クーペ「プレリュード」や大型SUV「CR―V」など登録車の新型ハイブリッド車(HV)を投入し、今年度と同等の販売規模を見込む。一方、小型の新型電気自動車(EV)も投入し、HVとEVの両軸で電動化を進める。上級車を中心に登録車のラインアップを拡充し、単価やブランドイメージの向上につなげる。
来期の事業計画を販売会社の代表者に伝えた。24年は「WR―V」や「フリード」などの手ごろな価格帯の登録車を投入したホンダだが、25年度は上級車のラインアップを補強する。プレリュードは秋ごろ、CR―Vは冬ごろに発売する。新型EVも年内に投入する見通し。
CR―Vは国内で22年に販売を終了しており、3年ぶりにラインアップに加わることになる。新型車はタイから輸入し、HVを設定する。ホンダのSUVのラインアップはWR―Vのほか、小型の「ヴェゼル」や中型の「ZR―V」があるが、販売現場では「『ZR―V』のサイズではアウトドア好きのユーザーのニーズに応えられない」という声もあった。SUVのバリエーションを拡充することで販売拡大を図る。
ホンダの国内販売会社の業績は、WR―Vやフリードなど登録車の好調な販売に支えられ、過去最高水準の会社も多い。上級車種をラインアップに加えることで、国内販売会社の収益性をさらに高める。ホンダは今後、難問整備やEVの高度整備にも対応できる整備拠点「ホンダカーズテクニカルセンター」を拡充していく考えだ。販社の収益性を高め、拠点や人材などへの投資を促す。