日産 サクラ

 JDパワージャパン(山本浩二社長、東京都港区)が発表した「2023年日本自動車商品魅力度調査」によると、輸入車を含めた量販ブランドでMINI(ミニ)が、上級ブランドでレクサスが1位だった。調査内容を刷新した21年以降で、いずれも3年連続の首位。総合1位のレクサスは、前年比11㌽増の760㌽となった。平均スコアも同7㌽増の671㌽と、2年連続で増加している。

 調査は5~6月にかけて、インターネットで実施した。今回が13回目。新車購入後2~13カ月経過した18歳以上のユーザーを対象とし、2万1647人から回答を得た。商品魅力度スコアは「外観」「車両設定/始動」「乗降性」「内装」「パワートレイン」「ドライビングフィール」「安全性」「インフォテインメント」「快適性」「燃費/航続距離」の10カテゴリー・37項目で評価を聞き取り、1千㌽満点で算出した。

 総合評価は調査対象の14ブランド中、8ブランドが前年のスコアを上回った。このうち、日産自動車が前年比19㌽増と、最も伸びた。量販ブランドで1位のミニは、同12㌽減の729㌽だった。

 評価カテゴリー・項目別では、インフォテインメントが前年比4㌽増の626㌽で伸び幅が最も小さかった。JDパワーは同カテゴリーが「ユーザーが不具合を多く感じる分野」とし、「評価向上に向けた品質の改善は必須」と指摘した。同社の「23年日本自動車初期品質調査」においても、このカテゴリーに関する不具合の指摘数が増加しており、平均スコアを悪化させた要因の一つとなっている。

 同社は商品魅力度の調査でも、「車両の不具合経験が評価を低下させる」と分析。不具合経験がない場合の平均スコアが696㌽だったのに対して、不具合経験がある場合の同スコアは644㌽と大きなギャップが生まれている。その差は、21年調査の47㌽からやや広がった。同社は「ユーザーから高評価を得るためには、不具合の少ない車両の開発・生産を行うことがますます重要になっている」とし、「特にインフォテインメントは不具合の増加が目立つ領域であり、改めて品質改善への取り組み強化が望まれる」と指摘した。

 燃費(電費)/航続距離に関するスコアでは、プラグインハイブリッド車(PHV)と電気自動車(EV)の評価が低下する一方、内燃機関車(ICE)/ハイブリッド車(HV)が向上した。ICE/HVは前年比7㌽増の647㌽と2年連続で向上したが、PHVは同16㌽減の706㌽、EVは同12㌽減の586㌽だった。国内の新車販売で電動車の台数は増加しているものの、今回の調査ではPHV/EVへの評価は停滞している状況となっている。

 車両セグメント別のランキングでは、各ブランドの新モデルが高い評価を受けた。全9セグメント中、5セグメントで新型車または全面改良したモデルが首位となっている。今回は軽自動車のハイトワゴンの日産「サクラ」、軽スーパーハイトワゴンのダイハツ「ムーヴキャンバス」、ミッドサイズのトヨタ「プリウス」、ミッドサイズSUVの日産「エクストレイル」、コンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」が該当している。