JDパワージャパン(山本浩二社長、東京都港区)が24日発表した「2023年日本自動車セールス顧客満足度調査」によると、国産ブランドで日産自動車が、輸入車を含む上級ブランドでレクサスが1位となった。いずれも3年連続で首位。一方、総合満足度の調査平均スコア(1千㌽満点)は、前年比13㌽減の720㌽に低下。セグメント別ではともに同14㌽減少し、国産ブランドが716㌽に、上級ブランドが771㌽に低下した。新車の供給遅れから、納期に不満を持つ顧客が全体的に多かったことなどが要因の一つとみられる。

 国産8ブランドで1位の日産は、736㌽を獲得した。店舗施設・サポート、契約手続き、納車の3項目で最高評価を受けた。上位は前年からマツダが3ランクアップで2位に、前年2位のホンダは3位となった。

 上級5ブランドで1位のレクサスは、796㌽で、店舗施設・サポート、商談、契約手続きの3項目で最高評価を得た。また、上位3ブランドの顔触れは前年と同じだった。

 総合満足度は顧客満足(CS)に影響を与える要因として、①納車②店舗施設・サポート③商談④契約手続き―の4項目の評価で算出している。今回は軒並み低下しており、特に納車は前年比21㌽減の705㌽となり、4項目中で最低評価となった。

 同社は「新車市場は部品の供給不足やウクライナ情勢の悪化で、流通の乱れに拍車がかかっている」と指摘。調査結果でも契約から納車までの期間が3カ月超の割合が前年比24㌽増の47%に高まったほか、事前の納車予定時期と比べて実際の納車が「予定通りだった」という割合は同8㌽減の47%に低下するなど混乱ぶりがうかがえた。

 また、納車時期の事前案内が「週単位で目安となる時期の案内があった」という割合が前年比12㌽減の38%に低下しており、同社は「納車時期の見通しが以前より不透明で、顧客へ正確な納車予定時期を事前に伝えることが難しくなってきている状況」と分析。このため、「長納期に対する顧客の不満が悪化しないよう、メーカー側の納期短縮とともに、ディーラーによる案内の改善も求められる」と指摘した。

 電気自動車(EV)のユーザーの動向も分析した。購入までの来店回数は「3回以上」の割合が44%で、内燃機関車のユーザーの35%よりも高かった。また、ディーラーの担当者から「購入予算を考慮した提案があった」の割合は、EVが78%と内燃機関車の83%よりも低かった。「予算より高くなった」という割合はEVが56%で、内燃機関車の47%を上回った。同社は「EVを想定より割高な価格で購入している様子がうかがえる」とした。

 商談時に「自社モデルと競合モデルとの違い」や「最新技術/機能について」などの説明があった割合は、EVと内燃機関車に差は認められなかったという。そのため、同社は「EVの魅力についての十分な訴求には至っていないと思われる」と指摘。「EVをはじめとする新しい車の販売拡大が予想される中、従来の車とは異なる新技術や特徴を顧客に訴求していくことは、今後の高い顧客満足を得るためには不可欠なポイントと考えられる」と分析した。

 同調査は5~6月にかけてインターネットで実施し、7219人から回答を得た。新車購入後2~13カ月が経過した国産と輸入車ブランドの乗用車ユーザー(18歳以上)に、購入時のディーラーの対応の満足度を調査するもの。今回で22回目となる。