JDパワージャパン(山本浩二社長、東京都港区)が8月31日に発表した「2023年日本自動車サービス顧客満足度調査」によると、国産ブランドでホンダが、輸入ブランドでMINI(ミニ)が、輸入車を含む上級ブランドでレクサスが1位になった。全体の総合満足度の平均スコアは、前年比3ポイント減の724ポイント(1千ポイント満点)と2年ぶりに低下。セグメント別では同5ポイント増の774ポイントだった上級ブランドを除き、国産ブランドが同3ポイント減の721ポイント、輸入ブランドが同17ポイント減の738ポイントと低下する結果になった。

 総合満足度のスコアは顧客満足(CS)に影響を与える要因として、①店舗施設・サポート②サービス品質/納車③予約/入庫―の3項目の評価で算出する。23年調査ではすべての項目が前年と比べてやや低くなっており、総合満足度の低下につながった。

 セグメント別では国産8ブランドで1位のホンダが740ポイントを獲得。予約/入庫とサービス品質/納車の2項目で最高評価を得た。ホンダの1位は2年ぶりで、ダイハツは前年から1つ順位を上げて3位となった。

 輸入6ブランドで1位のミニは759ポイントで、すべての項目で最高評価だった。また、上級5ブランドで1位のレクサスも全項目で最高評価となり、すべてのブランドを通じて最高の819ポイントを獲得した。

 同社は全体の平均スコアの低下の要因を「何らかの故障や不具合の修理を経験した顧客の不満はより大きく、顧客満足度全体の低下に影響を及ぼしている」と分析した。アフターサービスを利用した理由で「故障・不具合の修理があった」や、その修理が「リコール対象だった」割合は減少したものの、「故障・不具合の修理があった」という顧客のディーラー対応の満足度は、前年比で14ポイント低下した。「故障・不具合の修理がなかった」顧客の満足度を大きく下回ったとしており、評価差は前年の16ポイントから28ポイントに広がった。

 また、費用面も顧客の不満要素の一つとも指摘している。故障・不具合の修理があった顧客は料金が「事前の予定より高くなった」という割合が41%と高かった。料金(部品代含む)が「5万円以上」だった割合は修理があった顧客が26%と、なかった顧客を8ポイント上回った。加えて、見積もり時や納車時に、作業内容の説明がなかった割合が前年と比べてやや高まるなど、「料金が想定より高いにも関わらず、説明不十分で、支払い金額に対する納得感を得られなかった」としている。

 こうした結果を受けて、同社は「日本ではアフターサービスでの再入庫はわずか3%であり、作業クオリティーは高い。しかし、故障・不具合の修理が発生したときの対応面の不備は、顧客にとってネガティブイメージの起点となり得ることであり、今後の対応には注意が必要だ」と指摘。「顧客の要望や懸念点に配慮した説明や確認、今後のメンテナンスや次回の入庫まで踏まえたアドバイスを強化することが、顧客との信頼関係の構築とCSの向上にとって欠かせない要素となるであろう」とした。

 同調査は5~6月にかけてインターネットで実施し、8735人から回答を得た。新車購入後14~49カ月が経過したユーザー(18歳以上)を対象に、直近1年間に点検や修理などのアフターサービスを利用したときの販売店対応に対する満足度を調査した。今回が22回目となる。