セキュリティーと利便性を両立

 宅配関連ソリューションのスタートアップ、PacPort(パクポート、沈燁社長、東京都千代田区)とインターホン国内最大手のアイホンは、両社が共同開発した荷物伝票番号をセキュリティ解錠キーとする次世代型宅配システム「Pabbit(パビット)」が新築分譲マンションに採用されたと発表した。オートロック付き集合住宅で居住者が不在の場合でも、配送業者が伝票番号を解錠キーとして入館し、専用ロッカーへの荷物投函が可能になる。再配達の頻度を減らし、配送者の負担軽減につながることがメリットで、今回の事例を生かして新規採用の拡大を目指す。

 不動産デベロッパーのリストデベロップメント(木内寛之社長、東京都港区)が2025年12月に竣工を予定する新築分譲マンション「辻堂第2計画」(仮称、神奈川県藤沢市、9階建て)に導入される。荷物個々に割り振られる伝票番号で認証する仕組みによって、偽配達員の不法侵入を防止するセキュリティーと再配達業務の負担軽減を両立する。伝票番号をキーにすることで、新たなシステム端末の開発を不要とし導入費用を抑える。

 荷物投函用の専用ロッカーをマンション入り口ではなく、各階に設置して住民の利便性を確保する。投函された荷物はアプリ上の写真で確認できる。伝票番号で入館可能な指定配送業者は現在、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社で順次、追加を予定する。