フォードの商用車部門、フォード・プロは、欧州市場向けピックアップ車「レンジャー」に新グレード「ワイルドトラックX」と「トレモア」を設定したと発表した。厳しいオフロード環境下での走行性能を高めるため、シャシーを大幅に改良するとともに、ビルシュタイン製ダンパーを採用して足回りを強化した。受注は3月に開始、納車は8月からを予定する。

 ワイルドトラックXは、ベース車から車高を26ミリメートル上げ、トレッドを30ミリメートル広げて起伏の多い地形での接地性を高めた。ビルシュタイン製ダンパーの標準化で舗装路での乗り心地を維持しながらオフロード走行の信頼性を向上した。

 横滑り防止装置(ESC)の制御を応用して狭い屈曲路で回転半径を最大25%縮小する「トレイルターンアシスト」、ステアリング操作に集中することが必要な極悪路で、車両がアクセル・ブレーキ操作を自動制御して任意の速度(時速32キロメートル以下)を維持する「トレイルコントロール」などでオフロード走行を支援する機能を充実した。

 パワートレーンには排気量2リットルのディーゼルターボエンジン、10速AT(自動変速機)、フルタイム四輪駆動を組み合わせた。

 トレモアはワイルドトラックXと共通の四輪駆動システムを共有。足回りのセッティングを最適化して耐久性、信頼性を高めた。

 両モデルに7段折りたたみ式ルーフラックなどを設定し長尺物の積載性を向上した。