再生可能原料を70%使用したレース用タイヤ
サステイナブルなモータースポーツ活動について話す石橋秀一グローバルCEO

ブリヂストンは3月10日、2023年のモータースポーツ活動を発表した。国内外のモータースポーツ参戦車両へのタイヤ供給のほか、今年から新たに国際自動車連盟(FIA)が主催する市販のゼロエミッション車で電費効率を競う「エコラリーカップ」に協賛する。再生可能材料を使用したレースタイヤなども開発しており、モータースポーツを通じて持続可能なモビリティ社会を支えるための技術開発を本格化させる。

23年のモータースポーツ活動では、昨シーズン年間王座を獲得した国内最高峰ツーリングカーレース「スーパーGT」を筆頭に、北米最高峰のインディカーレースへの単独供給や、二輪の世界耐久選手権(EWC)など、国内外のカテゴリーに継続供給する。

モータースポーツを通じてサステイナビリティの実現に向けた取り組みも強化する。FIAが主催する、無改造の市販ゼロエミッション車が一般公道でエネルギー効率を競う「エコラリーカップ」に今年から協賛する。

サステイナブルな材料の研究開発の場としてもモータースポーツを活用していく。23年は再生可能資源やリサイクル材料を60%用いたタイヤを、豪州大陸を縦断するソーラーカーレースに投入する。米国インディカーレースでは22年、天然ゴムを北米原産の低木「グアユール」に置き換えたタイヤを実践投入した。四輪用で70%、二輪用で50%再生可能原料を用いたタイヤの開発にも取り組んでおり、レースへの供給に向けた研究を続けていく。

同社は1963年に開催された第1回「日本グランプリ」への参戦以来、今年でモータースポーツ活動が60周年を迎える。これに併せて組織改革にも取り組んでおり、3月1日付で「モータースポーツ開発統括部門」を新設。同部門長は次世代技術開発統括部門の石山誠部門長が兼任するなど、モータースポーツを通して再生可能原料をはじめとする新技術の開発に取り組む体制を強化している。

同日開かれた発表会で石橋秀一グローバルCEOは「サステイナブルなグローバルモータースポーツを推進していくことで、経営を強くし、DNAであるサステイナビリティや品質へのこだわりを極めていける」と述べ、企業経営とモータースポーツ活動を結び付けることで、タイヤの強みを生かしたソリューションカンパニーとしての競争力を高めていく。