ホンダは、2025年に軽乗用車「N―ONE(エヌワン)」ベースの電気自動車(EV)を国内で発売する。前年春に発売する軽商用車「N―VAN(エヌバン)」ベースのEVに続く第2弾となる。軽が先導する形でEVが国内市場でも普及し始める中、ホンダも既存車種をベースにしたEVを相次ぎ投入し、電動シフトを急ぐ。
22年4月に開いた「四輪電動ビジネス説明会」では、国内のEV展開について、24年前半の軽商用EVを皮切りに、軽乗用EV、登録車(排気量660cc超)でSUVタイプのEVを投入すると公表していた。
第1弾となる軽商用EVは、エヌバンをベースに航続距離200㌔㍍を目標に開発し、ガソリン車と同等の100万円台で発売する予定。配送など、あらかじめ走行距離が予測しやすく、短距離走行が多い軽商用車からEV化を図り、主要部品の量産効果も見込みながら乗用へと車種を増やしていく。この間に充電網やアフターサービス体制も整える。
第2弾として25年にエヌワンベースの軽乗用EVを投入する。第3弾と位置づけるSUVタイプのEVは25年以降に投入する。
ホンダは北米や中国、日本など主要地域の市場特性に合わせたEVを30年までにグローバルで30機種投入し、EVの年間生産としては200万台超を計画している。
国内では22年に約5万9千台のEVが売れた。これまでは輸入車が販売の中心だったが、日産自動車「サクラ」など軽EVが発売され、中間所得層や地方の需要を喚起した結果、前年比では2・7倍の伸びとなった。今後も、スズキが23年度の軽商用EVを皮切りとして30年度までに6モデルを展開する計画。ダイハツ工業も23年度中にスズキとの軽商用EVを、25年までに軽乗用EVを発売する方針とみられる。
軽自動車を軸にEVの品ぞろえが増える中、ホンダも電動シフトを加速させていく。