川西社長兼COO

 ソニー・ホンダモビリティ(SHM)の川西泉社長兼COO(最高執行責任者)は1日、オンラインイベントで講演し、1月に米国で開催された「CES2023」で初公開した電気自動車(EV)のプロトタイプのデザインを見直す方針を明らかにした。ソーシャルメディアなどでプロトタイプの外観デザインに対する否定的な声が相次いでいることに対応する。川西社長は開発するEVは「ダイレクトコミュニケーションを取りたいので、意見をどんどん採り入れたい」としている。

 同社は「アフィーラ」ブランドで、2025年に米国市場に投入する予定のEVのプロトタイプをCESで初公開したものの、特にSNS(会員制交流サイト)などで外観のデザインに対して否定的なコメントが相次いだ。

 川西社長は、プロトタイプのデザインに関して「(ソニーグループが独自開発した)ビジョンSの延長線上にしたくなかったので、相当悩んだ」とした上で「新しい可能性を示すために、シンプル、クリーンを反映させることを試みた」と説明。

 また、公開後、否定的な意見が多く聞かれることに関して「この段階でエクステリアを見せることがチャレンジであり、どんどん意見を聞きたい」と、前向きに受け止めている。「(デザインを)どう改善していくのかに取り組んでおり、納得する形でバージョンアップを図りたい」と述べ、開発するEVの外観デザインを見直す方針を示した。

 SHMは昨年3月にソニーグループとホンダがEV事業で提携したのを受けて、10月に両社が折半出資して設立された。

 25年前半に最初のEVの先行受注を開始して年内に発売、26年春に北米で販売し、同年後半には日本市場にも投入する予定。