急速充電器がずらりと並ぶスーパーチャージャーステーション
車種は「モデル3」が目立つ。汚れているクルマが多いのも米国らしい

電気自動車(EV)の普及に向けては、クルマが先か、充電インフラが先かという「鶏が先か、卵が先か」の議論がなされるが、筆者がCESに来て感じたのは、どちらが先という話ではなく、「卵があるから鶏が生まれる」ということだ。

宿泊先の近くに、テスラの急速充電拠点「スーパーチャージャーステーション」があることがわかり、視察に行ってみたのだが、20時という時間帯にも関わらず満車。眠らない街、ラスベガスという地理的条件もあるのだが、クルマの出入りを見ていると、日本でいう満車状態が長時間続くのではなく、次から次へと入出庫を繰り返している。つまり、電気をドンと入れて、サッと出ていっている様子だった。

急速充電は、高電圧設備といったインフラの問題や車載電池を痛めるなどのデメリットがあるものの、スーパーチャージャーステーションを見ていて思ったのは「やはり便利だ」という事実。利便性が高く、それでいてスタイリッシュ、環境に優しいクルマを所有するステータスもある。ラスベガスにいるとテスラが売れる理由がよくわかる。

テスラの2022年の世界販売台数は前年比40.3%増の131万3851台。22年の成長率見通しとして掲げていた50%増には届かなかったが、21年の過去最多を大幅に上回った。