日本自動車工業会(自工会、豊田章男会長)が31日に発表した2022年度上期(4~9月)の輸出台数は、前年同期比2・1%増の184万9108台だった。半導体不足やコロナ禍の影響で前年の台数が少なかった国内生産が増加し、輸出台数も増えた。ただ、コロナ禍前の19年上期に比べると2割以上少ない水準にとどまった。円安の進行で国内からの輸出が有利な状況にあるものの、部品不足の影響により、輸出台数の大幅な増加にはつながっていない。

 地域別の輸出台数は、中近東向けやアジア向けが増えた一方、最大仕向け地の北米が同3・4%減の68万9055台と減少した。北米向けは19年上期と比べると27・2%少ない水準だった。

 車種別では乗用車、トラック、バスともに前年を上回ったものの、乗用車の増加率は同0・9%増と小幅だった。輸出合計はコロナ禍前の水準よりも低いが、トラックは19年上期と比べて27・0%増加した。

 足元で東南アジアのトラック需要が旺盛になっているほか、エンジン認証不正問題が発覚した日野自動車が国内向けの生産能力を海外向けに振り向けていることも一因とみられる。

 9月の輸出台数は2カ月連続のプラスとなる前年同月比84・5%増の36万9095台だった。

 また、同日発表した8月の自動車生産台数は同21・6%増の58万4291台だった。