顧客への連絡を定期的に行うコンタクトセンター
サービス事業部 渡邉大也スーパーバイザー

 車販、整備、板金塗装(BP)などの事業を総合的に多店舗で展開しているナオイオート(直井清正社長、茨城県取手市)は、固定客化力向上に全社的に取り組んでいる。

 長年にわたり大型イベント(お客様感謝祭)を年2回開催(今年度は1回予定)し、顧客との交流を通じ関係性を深めてきた。2017年からはTCS(トータルカーライフサポート)DMを、車検満了日の半年前までの顧客に対して毎月発送し、車検、代替の促進を図っている。DMには車販、車検(コバック車検)はもちろん中古カー用品(アップガレージ)、介護用品など事業展開しているサービスを一枚のチラシにまとめ、付加価値を訴求している。

 顧客フォローでは、店舗スタッフが行うのはもちろん、17年9月に開設したコンタクトセンターも機能している。車検実施から1カ月後のアフターフォローに始まり、6カ月と12カ月点検時、次回車検満了の7カ月前、同4カ月前の計5回のコールを実施。

 そして、お客さまフォローのステータス管理を「◎〇△×」による「温度感タグ」を付け、そこで不満を持っている顧客には店舗責任者が連絡を取って対応するなど、店舗と情報を共有し迅速にフォローする。不満を持っている顧客は少数だが「品質向上のために実践している」(渡邉大也スーパーバイザー)。同センターの開設により、車検満期の自社防衛率が昨年は70%を超え、開設前より約4%アップしており、「大きな成果」(同)ととらえている。

 そうした能動的なアプローチに加えて、予約方法の多様化に向けLINEおよびネットの予約フォームで24時間予約ができる仕組みも構築し、21年よりスタートした。BPの見積もりサービスからスタートしたもので、利便性と業務効率向上に寄与している。複数の接触機会を設け、顧客の声を全体で共有する仕組みを構築することで、さらなるCS向上につなげている。

 こうしたフォローや予約の流れに加え、商品ではメンテナンスパックを推進し、他社流出の防衛につなげている。車販時では定着しているメンテナンスパックだが、車検、12カ月点検の顧客にも促進し、メンテナンスパック終了時の継続も促す。特に車検時での付保向上に取り組み、徐々に比率を高めている。今期の車検付保率目標は15%に設定し、1~5月では16・3%とクリアしている。日ごろのメンテナンスの対応で満足してもらえれば次回車検、車販、保険にも結び付くため注力している。

 〈受賞者コメント〉

 サービス事業部 渡邉大也スーパーバイザー

 弊社は創業当時から、お客さまとの生涯のおつきあいを実現するために接触頻度を増やし、固定客化に取り組んできた。17年9月にスタートしたコンタクトセンターによって、お客さまとの接点を増やし、リピート率も向上している。

 これらの活動が評価され、「第1回整備事業者アワード」を受賞できたことは大変うれしい。今後もさらなるリピート率向上に努めていく。

(清水 泰典)