カフェタイムを過ごしながらピットでの作業風景を見ることができる
森浩輔代表取締役社長

 ガリレオコーポレーション(森浩輔社長、愛媛県松山市)は、同社独自の「ガリレオスタイル」で安心の保険提案、提供に強みを持つ。

 車検入庫時の代車使用の際のトラブルは、顧客の任意保険をもとに対応。入庫前から案内し、当日、フロントスタッフが車検の必要書類として、保険証券を預かる。定期的に行う車検と同様、保険にも適宜見直しが必要だとし、声がけを行う。保険勧誘をされるという意識を持たれてしまわないように、フロントから専門的な話をすることはない。その後、保険アドバイザーが、保証内容を中心に顧客の条件にあった保険を提案。車検受付から、保険のプロによる案内までの、この一連の流れをガリレオスタイルとしている。「保険の性質上、勧誘の話となると身構えてしまうお客さまも多い」(森社長)とし、車検時の証券回収を切り口に、提案活動に取り組んでいる。

 約10年前に、損害保険会社のセミナーに参加したことをきっかけに、保険提案活動を本格的に始めた。毎週、メカニックも含め、ロールプレーイング形式での社内研修を実施。当初は保険提案に対して拒否反応を示す社員も見られ、ベクトルを一つにすることに苦心したという。社内キャンペーンとして毎月の目標と達成率を明確化することで、徐々に保険提案への自信が生まれ、社員の意識も変化していった。販売部門ではなく、整備部門から大きな実績が生まれたことで、車検をきっかけとした保険提案の可能性も見いだすことができた。

 現在では、全社員が保険募集人資格を有し、入社後に基本的な保険の知識について講習を受け、資格を取得することが定着している。全社的な取り組みとして保険提案を始めた10年前と比較して、収入保険料は5億円を突破し、約5倍となっている。

 同社が開催する全国のモータ―代理店を対象とした「ガリレオ保険大学」は、研修会だけでなく、情報交換の場としても展開している。「より多くの代理店に参加してもらうことで、情報を共有し、お互いを高め合っていけたら」(同)と、競争の時代であるからこそ、同業での連携の必要性を説く。

 店舗は商談のしやすさを意識し、リニューアル。カフェスタイルを導入し、ボックス席を複数用意するなど、誰もが利用しやすい店舗づくりをしている。

 今後は、ガリレオ保険大学の規模拡大や、新店舗の出店、5年計画での収入保険料10億円突破を目標に掲げ、安心・安全の保険提案に引き続き取り組む考えだ。

 〈受賞者コメント〉

 森浩輔代表取締役社長

 保険提案を本格的に始めてから、自動車販売台数や車検入庫台数も伸び、社内活性化にもつながるなど、さまざまな相乗効果が得られた。保険提案に全社を挙げて継続的に取り組んだ結果が認められての受賞だと思うと感無量だ。保険は、お客さまの安心を担保するもので、見直しなどに興味を持ってもらえるような提案をすることがわれわれの役目のひとつ。安心の保険を提供することで、生涯取引店として、これからもトータルカーライフをサポートしていきたい。

(下岸 可憐)