国土交通省は24日、料金改定後1カ月の首都高速道路などの交通状況を発表した。首都高速の長距離利用が減少し、千葉外環の利用が増えたことで都心通過利用は減った。朝夕のピークなど日中の利用も減少した。4月の首都高速全線の渋滞損失時間は前年同月比約10%減で、コロナ禍前の2019年比では28%減だった。料金改定の効果が渋滞緩和につながったと見られる。

 4月の首都高速の全体交通量は、行動制限があった前年とほぼ同水準だった。距離別では、長距離(36㌔㍍超)の利用は前年同月比で約2%減と減少した。一方で、短距離の利用は増加した。

 ETC車を対象に、千葉外環迂回利用割引が適用される「三郷―神奈川」方面は、6号三郷線経由の利用が減って、都心通過利用の減少に寄与した。渋滞損失時間は6号向島線で約9%減、6号三郷線で約7%減となった。

 首都高速で新たに深夜割引が導入された午前0~4時の交通量は約13%増加した。交通量は、朝ピーク時間帯(午前7時台)が約4%減、夕方ピーク時間帯(午後5時台)が約2%とそれぞれ減少した。

 首都高速道路は4月1日、料金改定を実施。通行料金の上限引き上げをはじめ、深夜割引や千葉外環迂回利用割引の導入などを行った。ETCを搭載した普通車の場合、料金の上限額は1320円から1950円に引き上げた。今回の改訂は、主に首都高速の長距離利用者を対象としたため、走行距離が35・7㌔㍍を超えると改訂前よりも料金は上がった。