各地の乗り合い(一般路線・高速)バス事業者で「紙式回数券」を廃止する動きが続いている。「Suica」や「PASMO」などのICカード乗車券が全国的に普及してきたこと、さらにスマートフォンアプリを通じた乗車券販売の拡大で、紙の乗車券の印刷、販売管理などのコストが重荷になってきた。コロナ禍で経営が悪化したことも加わり、各事業者はコスト削減の一環として乗車券の提供方法を見直し、改めてIC決済への誘導に取り組んでいる。

 バス事業者の紙式回数券の廃止はこれまでも散発的に続いていた。今年に入ってからも西日本鉄道や京王バス、京浜急行バス、東武バスセントラル、JR東海バスなどが相次ぎ、金額を記載した回数券や一部路線で使える回数券の販売・利用を終了、もしくは終了を公表。今後も廃止の動きが続く見通しだ。

 紙式回数券を含む紙の乗車券を廃止する動きは鉄道が先行した。JR、私鉄を問わず廃止の動きは年々拡大している。紙だけでなく磁気式の定期券や自動精算機の廃止まで踏み込む事業者も出てきた。バス・鉄道を問わずIC決済への移行が加速している。

 その一方、紙の回数券は高齢者を中心にIC、ネット決済に不慣れな人が一定数いるほか、通常運賃と比べ割引率が高いため愛用者が残る。紙式廃止の代替措置では、ほぼ全てがICへの移行となっている。昨年の鉄道に続いて紙式を廃止する西鉄は、廃止と同時にアプリの回数券を拡充し、移行を促すことにしている。ポイント付与やIC割引運賃の拡充を行う事業者も見られるが、中には代替措置がないケースもあり、一部利用者の不満が残りそうだ。