ダイハツ工業は8日、滋賀工場(滋賀県竜王町)の地元で進める肉牛糞乾式メタン発酵システムの開発が新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の技術開発事業に採択されたと発表した。2023年までに近江牛の糞尿を利用した小型バイオメタン発酵プラントと発電機を開発し、翌年から実証試験を進める。同発電機を滋賀工場に導入し、製造工程でのカーボンニュートラル化を進める。

 ダイハツは、バイオガス関連の技術開発を進めるエア・ウォーター(豊田喜久夫会長・CEO、大阪市中央区)と共同でメタン発酵技術開発の取り組みを進めている。エア・ウォーターが持つメタン発酵技術やダイハツが持つコンパクトエンジンの設計・制御技術などを生かし、良品廉価な乾式メタン発酵システムの開発を目指す。

 地元特産の近江牛の糞尿からバイオガスを取り出し、滋賀工場に専用の発電機を導入することで脱炭素化を進める。また、残渣は有機肥料として農地に還元することで、地域での持続可能な社会づくりに貢献する。

 ダイハツは18年9月に「環境アクションプラン2030」を策定。生産分野では、30年の二酸化炭素(CO2)排出量を13年比で35%削減する目標を掲げている。