スバルや日本無線など5社は、小型無人航空機の飛行試験で、実用速度域となる相対速度時速200㌔㍍で自律的な衝突回避に成功したと発表した。実用速度域で同様の実験に成功したのは世界初。実験の成果を生かし、航空事故の抑制に向けた衝突回避システム技術の早期確立を目指す。

 実験は、福島県南相馬市で9月9~10日に実施。時速50㌔㍍で飛行する10㌔㌘クラスの無人航空機と時速150㌔㍍で飛行する有人ヘリコプターを正面方向から接近させて行った=図。無人航空機に搭載したセンサーから取得したデータをもとにリアルタイムで回避経路を生成し、自律回避飛行に成功した。

 ドローンや中型の無人航空機は農業分野などで利用が広がるほか、災害時の物資運搬や遭難者捜索などで活用が見込まれ、運用数は増加傾向にある。一方、ドクターヘリなどの有人航空機との接近事例もあり、衝突回避技術の実用化が期待されているという。実証実験には2社のほか、日本アビオニクス、ACSL、マゼランシステムズジャパンが参加した。