いすゞ自動車が8日に発表した21年4~9月期連結業績は、売上高及び各利益項目が同期として過去最高となった。販売台数は期初予想を下回ったものの、為替好転や原価低減活動によって収益を押上げた。営業利益では、7~9月期からUDトラックスを連結化した効果で、プラス26億円となった。
世界販売はLCV(ピックアップトラックおよび派生車)が前年同期比55%増の16万3千台、CV(商用車)も同54%増の16万9千台となり、コロナ禍以前の19年4~9月期を上回る水準となった。一方、新型コロナウイルス感染拡大による部品調達難による減産影響が小型トラック「エルフ」で表面化し、国内CVは前年同期並みの3万3千台にとどまった。
南真介専務執行役員は「部品調達の不安定さは続いている。旺盛な販売要求に応えきれない状態で、この解消は来期に先送りをせざるを得ない」と述べ、通期の販売台数は前回発表値から4千台減の73万台に下方修正した。一方、原材料価格の悪化を為替や固定費削減などでカバーし、収益見通しは据え置いた。