いすゞ自動車が4日に発表した2021年4~6月期連結業績は、市場の回復を受けて売上高、営業利益、経常利益、当期純利益が第1四半期で過去最高を更新した。一方、足元の東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心とした新型コロナウイルスの感染再拡大や、原材料価格の急騰による第2四半期以降の減益リスクを踏まえて、通期見通しは据え置いた。
世界販売は半導体不足やコロナ禍による生産停止の影響もあったが、CV(商用車)、LCV(ピックアップトラックおよび派生車)台数はともに前年比プラスとなり、コロナ前の19年4~6月期の水準も上回った。営業利益は販売台数増に加えて、為替変動によって大幅な増益となった。
南真介専務執行役員は、第1四半期の業績結果について「想定を上回る水準だ」との受け止めを述べる一方、通期見通しを上方修正しない理由として「半導体不足や新型コロナ再拡大の減産リスク、原材料や物流費の高騰リスクはまだまだ見通せない」と述べた。