いすゞ自動車は13日、2024年3月期に売上高2兆7500億円、営業利益2500億円を目標とする3カ年中期経営計画を発表した。21年3月期の実績は売上高1兆9082億円、営業利益957億円。買収したUDトラックスとのシナジー効果を軸に事業拡大と収益向上を図る。3年間で前中計比約20%増となる3千億円規模の設備投資を実行。将来を見据えて次世代技術の開発も加速し、カーボンニュートラルや自動運転、コネクテッド分野の開発にも注力する。

 いすゞは前3カ年中計で売上高2兆3千億円、営業利益12・0%を目標に掲げていた。中計に沿って事業は拡大傾向にあったものの、最終年度に新型コロナ禍の影響で未達に終わった。

 新しい中計ではUDとのサービス拠点の活用や共同購買、新型ピックアップトラックの世界展開などを推進する。25年3月期以降の成長に備え、UDと大型車のプラットフォーム共通化するほか、中小型トラックも中計期間内に全面改良する。

 次期中計期間にあたる26年3月期には売上高3兆円、営業利益率15・0%に引き上げることを視野に入れる。UDとボルボとの連携によって24年3月期時点で330億円、26年3月期時点で500億円のシナジー効果を見込む。

 脱炭素化に向けては40年までにカーボンニュートラルに対応できるラインアップを確立する方針を盛り込んだ。22年に小型トラックの電気自動車(EV)を量産開始、大型トラックの燃料電池車のモニター提供を開始する。さらにカーボンニュートラル燃料の活用を見据え、高性能内燃機関車の開発も進める。車両開発だけではなくコネクテッド技術を活用した物流の効率化で環境負荷低減に貢献する。