いすゞ自動車は5日、米エンジンメーカーのカミンズからディーゼルエンジンの供給を受けると発表した。いすゞが他社製のエンジンを商用車に搭載するのは初めて。カミンズ製エンジンをいすゞの車両用に両社で適合開発し、2021年から北米を皮切りに搭載を開始し、順次世界に投入する。カミンズとの協業でディーゼルエンジンの性能向上とスケールメリットによるコストダウンを図る。

 両社が19年5月に締結した包括的パートナーシップ契約を具体化へのフェーズに移す。供給を受けるのは、カミンズがグローバルで展開する排気量6.7リットル6気筒ディーゼルエンジン。いすゞは、11~22トンクラスのトラックに搭載する同じ排気量の自社開発ディーゼルエンジンを所有しているものの、専業メーカーのエンジンの技術と生産規模を活用し、大型トラックの商品力向上を図る。

 日本の排ガス規制に適合させたエンジンの組み立ては栃木工場で行う。自社開発品の6.7リットルディーゼルエンジンも生産は続ける。

 また両社は「先進先行技術契約」も締結しており、パワートレインの共同開発を進めている。次世代ディーゼルエンジンの開発のほか、カーボンニュートラルの実現を目指し、電動パワートレインの協業検討にも新たに着手した。電動化対応などで研究開発投資の負担が重くなる中、カミンズのほか、ボルボ・トラックやホンダなど他社との協業を加速し、投資負担を軽減した上で次世代車の開発を急ぐ。