いすゞ自動車は31日、米エンジンメーカーのカミンズとパワートレーンに関する包括的パートナーシップ契約を締結したと発表した。両社でディーゼルエンジンの基本設計を共有化し、開発の効率化やコスト競争力の強化を図る。中長期的にはディーゼル以外のパワートレーンへの展開や生産、調達などでの連携も検討する考えだ。

 両社の協業を実行するために、プロジェクトを具体的に進める専任組織とプロジェクトを審議するアライアンスボードを新設する。専任組織は、両社の開発、調達、生産などのエキスパート約20人で構成し、アライアンスボードには各社3人の役員が入る。

 当面の協業領域はハイブリッドシステムを含むディーゼルエンジンの開発だ。両社でアーキテクチャを共通化し、各社のエンジンに落とし込む。今後は、電気自動車(EV)などでの協業も検討する。

 カミンズは、スウェーデンのボルボや米フォード・モーターなどの商用車向けエンジンを製造するメーカー。大型車に強く、年間約120万基のエンジンを生産している。一方、いすゞは小型車に強く、年間80万台のエンジンを生産する。両社は、商用車や産業用パワートレーンの中で環境性能を高めたディーゼルエンジンの需要は根強いと判断し、昨年9月から包括提携の締結に向けた協議を進めていた。