日野自動車は28日、2022年3月期の営業利益を期初見通し比で14・9%増の540億円に上方修正したと発表した。東南アジアでの販売が想定以上に回復した影響が大きい。売上高、当期純利益の見通しはそれぞれ同9・8%増の1兆4600億円、同36・4%増の150億円に引き上げた。4~9月期の売上高は前年同期比3・4%増の6893億円、営業利益は318億円で黒字に転換した。

 4~9月の世界販売台数は、同15・3%増の7万4300台だった。北米はエンジンの認証遅れで販売台数を大幅に落としたものの、主力のアジア地域が同49・8%増の2万8071台と大幅に回復した。特に昨年はコロナ禍の影響が深刻だったインドネシアがインフラ投資の活性化で回復、前年の2倍以上の水準に戻った。

 下期については「半導体不足やロックダウンの影響が顕在化している」(小木曽聡社長)と懸念材料はあるものの、上期の上振れと東南アジアのさらなる回復を見込んで通期の販売計画も期初予想から8千台上積みした。

 エンジンの認証遅れで稼働を停止していた北米工場で、カミンズ製エンジンを搭載した小型トラックのパイロット生産を9月に開始し、10月から卸売りを始めたことも明らかにした。いすゞ自動車からのOEM調達は12月に開始する予定。