日野自動車が27日に発表した2021年3月期決算は、売上高が前年同期比17・5%減の1兆4984億円、最終損益が74億円の赤字となった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた需要減に加え、北米工場の生産停止の影響が響いた。ただ、グループでの販売活動の促進や固定費の徹底的な効率化により、従来見通しに比べ、売上高と各利益が改善した。

 2期連続の減収、営業減益となった。世界販売は、同20・9%減の14万2606台。日本は同10・7%減、アジアは同28・0%減、北米は同50・2%減となるなど、オセアニアと欧州を除きマイナスとなった。「新型コロナの感染拡大でインドネシアが大きく低迷し、北米の生産停止で販売は大幅に減少した」(中根健人取締役専務役員)。

 1月27日に公表した連結業績予想に対し上振れし上方修正した。売上高は684億円、営業利益は92億円、最終損益は45億円改善した。固定費の削減や販売促進、為替差益が寄与した。

 22年3月期通期見通しは、売上高が1兆3300億円、営業利益が470億円、当期純利益は110億円とした。