ホンダは5日、2022年3月期の業績見通しを下方修正して発表した。半導体不足による四輪車の生産調整などの影響が想定を上回る見通しとなった。半導体や東南アジアのコロナ感染拡大による部品調達難から四輪車の販売見通しについて前回計画から65万台減となる420万台に引き下げた。売上高は前回予想から8500億円減の14兆6千億円、営業利益が1200億円減の6600億円、最終利益が1150億円減の5550億円となる見込み。

 業績発表のオンライン記者会見で倉石誠司副社長は「複合的な要因による減産は、前回発表時の想定を上回った」と述べた。地域別の販売計画は前回公表から国内が10万台減、北米が27万5千台減る見込み。営業利益は、台数減に加えて原材料価格の高騰などが影響する見通しで、販売費抑制など収益改善に取り組むことで、前期並みの収益確保を目指す。

 21年4~9月期連結業績は、営業利益が円安による為替差益などがあり、前年同期比2・6倍の増益となった。四輪車世界販売は、半導体不足による減産影響で同6・4%減の191万5千台に落ち込んだ。

 一方、ホンダは11月の国内工場の稼働見通しが9割まで戻ると発表した。年明けからは挽回生産を進める意向。