帝人は19日、ポリカーボネート樹脂について11月1日出荷分から値上げすると発表した。対象は、ポリカーボネート樹脂「パンライト」とポリカーボネート系アロイ樹脂「マルチロン」で、両製品ともにリン系難燃グレードの価格を改定する。パンライトは国内が1キログラム当たり10円以上、海外は1トン当たり100ドル以上、マルチロンは国内が1キログラム当たり30円以上、海外が1トン当たり300ドル以上値上げする。
ポリカーボネート樹脂に難燃性を付与するリン系難燃剤の粗原料が、中国での電力使用制限措置で大幅に減産となり価格が急騰している。加えて、石油価格の高騰で、同樹脂主原料のビスフェノールAの価格で高止まりが続いている。こうしたコストの上昇を企業努力で吸収することが難しく、値上げに踏み切る。