集合住宅への設置を後押ししてEV普及を本格化(日立グループの充電器)

 環境省は、マンションなどの集合住宅向けに電気自動車(EV)の充電設備と再生可能エネルギーの導入を支援する新たな枠組みをつくる。自治体やデベロッパー、カーシェアリング会社などと組んでモデルケースを構築する。工事費の補助制度も視野に入れ、都市部におけるEVの普及を後押しする考えだ。

 戸建て住宅などは近年、太陽光発電やEV用充電設備を備える例が増えているが、集合住宅では、EV用充電設備などの導入に管理組合の決議が必要なうえ、費用負担が大きいこともあり、導入が進んでいない。一方で、日本の総住宅数の約4割が集合住宅だ。これまでもガイドラインなどで既設マンションでの充電器普及を促してきたが、低炭素化を目指すうえで取り組みを強化する必要があると判断し、集合住宅向けに新たな枠組みをつくることにした。

 自治体や自動車メーカー、再エネ電気の小売業者、シェアリング会社などと組み、早ければ来年から実証を始める。充電器や太陽光パネルの設置場所、充電料金の回収方法、工事費用の負担者などを明確にしたモデルケースを作成する。マンションの標準管理規約などに盛り込みやすい仕様とする。

 関連経費は来年度の概算要求で計上する見通し。モデル事業として補助金制度を設けるか、国が直接、実証に乗り出すかなどの詳細は、来年以降に詰める。

 環境省は一定条件を満たした戸建て向けに設備や車両の補助金を支給しているが、脱炭素を目指すには集合住宅での普及施策も必要になる。環境省の松澤裕水・大気環境局長も「現在の戸建て中心から、集合住宅まで広げられるかがEVの普及に大きく関わってくる」と取り組みの重要性を認識する。具体的な導入事例を示すことでEVの普及を促進していく考えだ。