愛知県や大手旅客運送事業者のWILLER(ウィラー、村瀨茂高代表取締役、大阪市北区)などが18日、名古屋市で小型電気自動車(EV)を活用した自動運転の実証実験を始めた。交通量が多い幹線道路で自動運転技術を試す。一般利用者も含め、10月末まで実証し、将来的な実用化を目指す。

 名古屋市内のイオンタウン千種(千種区)を起点にJR鶴舞駅(中区)と名古屋工業大学(昭和区)を結ぶ2路線を走行させる。祝日を除く水・木・金曜日に1日当たり7~14便走らせ、10月以降には関係者のみで夜間運行を行う。

 車両は仏ナビヤ製のEV「アルマ」。最高時速は19キロメートル。GNSS(全球測位衛星システム)で車両位置を測定し、車載センサーで障害物を検知する「レベル2」(特定条件下での自動運転機能)の車両だ。定員は14人(実証時は8人)で、非常時に備えて運転者と補助員が常時乗り込む。

 県としては、今回の実証実験で提供するモビリティサービスを「Nanamobi(ナナモビ)」として、定期運行を目指す方針だ。大村秀章知事は「世界一の自動車産業の集積地として、一日でも早く実用化できるように動きたい」と話した。今回の実証にも加わる地元交通事業者の名鉄バス(清水良一社長、名古屋市中村区)と連携して事業モデルを検討する。